2016年2月2日火曜日

クライム・オブ・パッション


映画ポスター

1984年作品
監督ケン・ラッセル
キャスリーン・ターナー、アンソニー・パーキンス、ジョン・ローリン



あらすじ:昼はクールなデザイナー、だが、夜は娼婦。
神父でありながら、病的な性癖を持ち、夜な夜な娼婦街をさまよう男。
肉体的、精神的に妻との関係が冷め切っている男。

そんな3人が偶然出会う、三角関係?




ケン・ラッセル監督は、イギリスの方なのですが、イギリスからハリウッドに移ってアメリカ映画として撮影された作品なんですね。

その影響は、すごく大きくて、すごく引いてみると、ケン・ラッセル感がかなり薄いんです。

もちろん、ストーリー的には「らしい」のですが、他の作品と比べると、いわゆる「個性」は薄い感じがします。

なので、個人的にはあまり印象に残っていないのですが、今回調べてみて、80年代の作品としては一番古い、というのにびっくりしました。

ひょっとしたら一番メジャー的な作品かな、と思うのが「アルタード・ステーツ」なんですけど、これもアメリカ製です。

なんとなく、勝手なイメージですが「アルタード・ステーツ」も本作も、クローネンバーグと混ざるんですよね。
なんか、クローネンバーグも扱いそうな・・・。

本作は、ブライアン・デ・パルマも似合いそう。

ってな感じで、他の監督がよぎってしまうんです。

でも、見る側は誰が撮ろうが、最終的にはその内容で判断すればよいだけ、なんですけど、この内容、ケン・ラッセルの作品じゃなければ、見てないです・・・。

ある人物を通して「性」を描く事と、ずばり「性」がテーマというのは、ちょっと違うような感じ。

まあ、男女差もあるかもしれませんね。

あんまり女性が見て、楽しいと思えるストーリーではないと思いますし、私はダメでした。


キャラクターは、まあ面白いかな、とは思います。

特に、「罪から救う」と言いながら娼婦を殺す事で頭がいっぱいの変態神父。

「狩人の夜」を思い出しますね。




そして、昼と夜の顔を持つキャスリン・ターナー。

何がモチーフというほど、今となっては珍しい設定でもないと思いますけど、それでもドラマチックではあります。

多分、何がいまいちなのかと言うと、3人目の男が、一見一番平凡なのですが、一番自分勝手だからでしょうかね。

まあ、神父は殺人犯予備軍なので、もちろん一番ヤバイですし、不快ではありますが、れっきとした犯罪者なので、なんらかの措置がいざとなればできます。

でも、普通の男は何か犯罪を犯しているわけではないので、法で管理することはできない。

だけど自身の奥さんを傷つけているのは確か。

(夫婦生活が理由で、別れを決めて、キャスリン・ターナーの元に走る)

「昔はよかった」って、若い頃に縛られるのも、ちょっと女子っぽいし・・・。

おこちゃま発想に思えてしまうんですよね。

まあ、全体のお話し自体が、あってないようなもの、というのは、ケン・ラッセルっぽい感じはしますw

二つの顔を持つ娼婦に妻に不満を持つ男が偶然出会い、ちょっと惹かれあうけど、女性は複雑ゆえ、すぐに受け入れられない。
変態神父は、娼婦をターゲットにする。

ある時、女性が一人になったところを、ご自慢の凶器を使っていよいよ殺そうとする神父。

でも、返り討ちにして、娼婦勝利。

そこに、やっぱりなんとかなんない? と男が現れて、ハッピーエンド??

確かに、変態神父が死んで終わる所は、スカっとしました。

安心して皆さん眠れると思います。

でも、私には無駄に豪華な部分もあって、B級というにも違和感がある味の薄さが、いまいちなのでした。

ビジュアルもダサイ・・・ですよねw

ダメな方の80年代だと思いますw

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